とんちんかんソフト


熱的短絡強度

 このページでは短絡関連の最後として、ソフト熱的短絡強度】を紹介します。
 過大な短絡電流に伴うジュール熱に電路が熱的に耐えられるか判定出力するものです。
 電線工業会では短絡時許容電流計算の一般式、さらにはケーブルの種類に応じた簡易式も示しており広く使われています。
 ただし、簡易式では短絡前後の温度設定を変えたい場合は一般式に戻って補正する必要があります。
 また一般式利用の場合は20℃における交流抵抗を式に代入して計算します。
 ところが電線類のカタログでは20℃の直流抵抗か常時使用最高温度での交流抵抗が示され、20℃の交流抵抗は示されていないのが普通です。
 このため20℃の交流抵抗に置き換える必要があるなど多少の煩わしさも残ります。
 またバスバーの検討では最初から20℃の交流抵抗を検討者自身が求める必要があります。
 このソフトでは抵抗値を実用上十分な精度で近似する機能を備えているため抵抗値換算の煩わしさはありません。
 電線・ケーブルのほか矩形や円形断面バスバーの短絡熱強度も容易に計算できるなど応用自由度も拡大しています。
 さらにビジュアル化の観点から導体温度上昇チャートも出力しました。
 既に公開済のソフト、【
短絡電流計算】および短絡電磁力】と合わせて活用していただければと思います。

【熱的短絡強度】の用途と特徴
用 途  電路の熱的短絡強度計算 
 適用範囲

条件
 
 商用周波数の交流回路
 電路の種類は一般設備用電線・ケーブルまたはバスバー(矩形または円形断面)
 導体材質は銅または電気用アルミニュウムのみ
 発生ジュール熱は全て導体の温度上昇に消費されることを前提に計算
入力の簡素化  対話型に近いユーザーフォーム入力
入力注意事項の主な点は入力フォームに表示
 バスバーの場合は抵抗値入力不要(断面寸法と材質から抵抗値を自動計算)
 電線・ケーブの場合も公称断面積入力だけで抵抗値の近似計算可能
もちろんメーカーカタログ値での入力も可能
抵抗値の温度補正は内部で自動計算
実用性重視      短絡後の導体温度を推計して可否判定
 電線・ケーブルの絶縁材料の種類に応じた許容短絡電流最大値も出力
 導体温度上昇チャート出力
 計算式も表示するため入出力値の代入から電卓による確認も可能
 電線工業会提示式での計算結果も参考出力(ほぼ同一値)

 実際面では変圧器容量に対して許容電流の小さな幹線を接続する場合検討が必要です。
 たとえば変圧器容量200kVA以上で100A以下の幹線などでは電流容量だけで幹線サイズを決めると熱的強度が不足する場合が多くなります。
 (下の熱的短絡強度計算回路例に示した100A用幹線 38mm2CVT は熱的強度不足になりました。)

画面

技術説明

 電路に施設される遮断機の性能から低圧回路の短絡持続時間は0.1秒以内、高圧でも最大2秒以内を想定しています。
 短絡持続時間はこのように極めて短いため短絡電流によって生じるジュール熱は導体の温度上昇に全て消費されると仮定しています。
 (熱放散は無いものとする)
 計算式は出力シートに示しました。
 なお、導体の表皮係数は日本配電制御システム工業会の技術資料【配電盤類における短絡電流】を参考にさせていただきました。
 (資料内に掲載されているアルコア社のグラフ)

動作環境

OS
Windows Vista 〜 Windows 7
     (未確認ですが Windows 2000 および Windows XP での動作も問題ないと思われます。)
Excel
Excel 2007(日本語版のみ)

Excelの設定でマクロを有効にする必要があります。

ダウンロード

   Excel 2007対応版
    short-thermal1.03.zip (218KB)・・・最終改定版(2010/11/19公開)

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